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エアコンメーカー別の除湿機能の特徴とは?電気代や冷房との違いを比較
筆者は、2018年に、
エアコンの除湿でおすすめのメーカー
というテーマで調査して情報コンテンツを紹介したのですが、約7年経ってみて、各メーカーのエアコンの除湿機能がとんでもなく進化していることに驚いています!
進化の内容をまとめると、
- 多くのメーカーで弱冷房除湿と再熱除湿の2つをそれぞれ採用した機種がある
- どのメーカーも2つの方式にとらわれずにエアコン除湿の電気代が下がるシステムを開発している
- AIによるエアコンそのものの電気代が下がる機能を開発している
- 何よりもドライ機能がユーザーにとって「最快適のために開発する」メーカーの信念が強い!(重要)
ということがわかりました。改めて、エアコンの除湿機能について、各メーカーが開発している機能やその思いについて、当編集部が調査した結果をまとめてみたいと思います。
Contents
エアコンの除湿とは?方式や電気代について
エアコンの除湿の主となる目的は、「湿度を下げてお部屋の快適さを整える」こと。
日本なら、エアコンの除湿機能は梅雨の時期に大いに活躍してくれますね。
エアコンの冷房も、お部屋の快適さを求める点でほぼ同じですが、冷房と除湿の違いは、
- ○冷房・・・部屋の空気の 「温度」を下げる
- ○除湿・・・部屋の空気の 「湿度(しつど)」を下げる
となり、効果はほぼ同じでも仕組みと方式は違います。
エアコンの冷房運転と除湿運転の使うシーンと仕組みの違いは、次のとおり。
出典:日立公式サイト
エアコンの冷房と除湿の違いは、ダイキン公式サイトでわかりやすく解説↓
エアコンの除湿方式と冷房も含めた電気代の違いを比較
エアコンの除湿(ドライ)ってどのメーカーや機種も同じでしょう?
とお考えの方、実は違いがあります。大きく分けると次の2つです。
- 「弱冷房(じゃくれいぼう)除湿」
- 「再熱(さいねつ)除湿」
この2つの大きな違いは、「部屋に戻す空気の温度」です。エアコンの除湿を使うシーンはやはり、じめじめした気候になる梅雨や夏前の暑い時期です。
エアコンで室内を除湿することによって、体感温度は下がりますが、「弱冷房(じゃくれいぼう)除湿」は除湿した空気をお部屋に戻す際、冷たい空気をそのまま戻すので、エアコンの冷房が効きすぎた時のような、寒い状態になりすくなります。
「再熱(さいねつ)除湿」は除湿で寒く感じることを無くすために、適温に温め直してから、お部屋に空気を戻すことができるので、部屋の温度が下がらず寒さを解消することができます。
この方式は7年前からありました。
2025年の今は、ネット検索するとエアコンの各メーカーサイトでお役立ちコンテンツとして、エアコンの除湿についてもしっかり解説していますので、私たちエアコン利用者側も理解が進んでいるはずです。
7年前はまだ、お役立ちコンテンツは少なかったですが、今は各エアコンメーカーも新開発をしつつ、ユーザーに寄り添って情報発信しています。
さらに、AIが搭載されたエアコンは、冷房と除湿を細かくコントロールする機能を搭載。エアコンの除湿の効果を利用して、色々なことができる機能を搭載しているメーカーもあります。
各メーカーが考える「エアコン除湿(ドライ)機能の役割と効果」を知っておこう!
調べてみると、とにかく各メーカーで様々なエアコンの除湿機能が紹介されています。以下、列挙します。
ダイキンのエアコンの除湿モード「リニアハイブリット方式」で消費電力を抑える
ダイキンのエアコンは、25年以上かけて除湿力を進化させてます。
出典:ダイキン工業
これが、ダイキンエアコンの信念ともいえる技術。空調機能の技術に関してはダイキンは世界で認知されています。
ダイキンのエアコンに搭載されている「さらら除湿(リニアハイブリッド方式)機能」が搭載された種類が人気。
出典:ダイキン工業
状況に合わせてエアコンが自動で除湿方式を切換え。熱交換器のリニアコントロールでシーンに合わせた除湿を行います。
日立の「カラッと除湿」&健康冷房[涼快]の仕組み
日立のエアコンは、再熱除湿・弱冷房除湿の2機種があり、カラッと除湿・涼快(りょうかい)・ランドリー除湿(カラッと部屋干しモード)・カビ見張り除湿・けつろ抑制除湿・手動カラッと除湿 等のモード運転の種類があります。
日立のエアコン「カラッと除湿」は、
- 自動カラッと除湿
- 手動カラッと除湿
- ランドリー除湿
- カビ見張り除湿
- けつろ抑制除湿
「5つの除湿設定」があります。
カビ見張り除湿
カビ見張り除湿をセットしておくと、エアコンが室内の温度と湿度を見張り、カビが発生しやすい状態(室温10℃以上で湿度70%以上)になると、湿度約40~50%を目標に、自動運転・停止を行います。旅行など、留守にするときにおすすめ。
冬の結露を抑制
「けつろ抑制除湿」設定は、おやすみ前など、暖房を止めてからセット。エアコンが自動で除湿運転を行い、2時間後に停止します。外気温1℃から使え、冬の結露を抑制します。
パナソニックの除湿の種類と仕組み
パナソニックのエアコンは、再熱除湿:弱冷房除湿の2機種があり、快適除湿モード(パーシャル制御・新制御・選べるしつど)・AI快適おまかせ等のモード運転の種類があります。
出典:パナソニック公式サイト
出典:エアコン エオリア 除湿(パーシャル制御)の仕組み【パナソニック公式】
三菱ルームエアコンの除湿の種類「新湿度制御」で快適をキープ。
三菱ルームエアコンは、再熱除湿:弱冷房除湿の2機種があり、さらっと除湿冷房・新湿度制御等の除湿モード運転の種類があります。
夏の酷暑でも運転を停止しない特徴がある三菱のルームエアコンの「さらっと除湿冷房機能」は、再熱除湿タイプで「冷房」と「再熱除湿※1」をエアコンが自動で切り替えて快適。
出典:三菱ルームエアコン公式サイト
※1一般社団法人 日本冷凍空調工業会による室温の下がらない再熱除湿方式。
エアコンの再熱方式には規定があり、再熱方式の除湿の仕組みは、ほとんどのエアコンでは一般社団法人 日本冷凍空調工業会による「室温が下がらない再熱方式」に準じています。
参考 ・再熱除湿の技術的な解説
また、 AI制御が湿度コントロールする新湿度制御を開発。
出典:三菱ルームエアコン公式youtubeチャンネル
シャープの熱交換器氷結による進化系除湿
「氷結ドライ」と「従来除湿」の除湿モード運転の種類があります。
これら除湿に関する機能は、エアコンのグレードや種類・シリーズによって区別されています。
メーカー | シリーズ名 | 畳数 | 除湿方式 | 備考 |
---|---|---|---|---|
ダイキン | うるさらX (Rシリーズ) | 6畳・14畳 | 再熱除湿 | 節電除湿冷房で快適性と省エネ性を両立 |
ダイキン | Eシリーズ | 6畳 | 弱冷房除湿 | ベーシックモデル |
ダイキン | GXシリーズ | 14畳 | さらら除湿(ハイブリッド方式 | 室温低下を抑えた除湿機能 |
日立 | 白くまくん Xシリーズ | 6畳・14畳 | 再熱除湿 | プラズマ空清+快適な除湿 |
日立 | 白くまくん RASシリーズ | 6畳・14畳 | カラッと除湿 | 室温低下を抑えた除湿機能 |
パナソニック | エオリア Xシリーズ | 6畳・14畳 | 再熱除湿 | ナノイーX搭載で空気清浄にも対応。室温低下を抑えた除湿機能 |
コロナ | Wシリーズ | 6畳・14畳 | 再熱除湿 | 再熱・弱冷房除湿を切替可能 |
シャープ | Vシリーズ | 6畳・14畳 | 再熱除湿 | 氷結ドライとコアンダ除湿で温度低下抑制 |
シャープ | DHシリーズ | 6畳・14畳 | 弱冷房除湿 | ベーシックモデル |
三菱電機 | 霧ヶ峰 Zシリーズ | 6畳・14畳 | 再熱除湿 | AI+バイタルセンサーで最適除湿 |
三菱電機 | 霧ヶ峰 GVシリーズ | 6畳 | 弱冷房除湿 | ベーシックモデル |
三菱電機 | 霧ヶ峰 FZシリーズ | 14畳 | プレミアム除湿 | AI制御による快適性重視の除湿機能 |
東芝 | 大清快 DRシリーズ | 6畳・14畳 | 再熱除湿 | AI快適運転で除湿中も快適室温 |
東芝 | 大清快 TMシリーズ | 6畳 | やわらかドライ | 室温低下を抑えた除湿機能 |
※実際のシリーズ名・仕様は各エアコンメーカー公式サイトで確認してください。
共通してい言えることは、ここで紹介した各大手エアコンメーカのほぼすべてで、再熱除湿と弱冷房除湿の2タイプを製品化していることです。 7年前は、どちらかの除湿方式を採用していましたが、現在は選択肢が増えています。
出典:パナソニック公式サイト
※パナソニックも以前は再熱除湿タイプはなかった。
この状況を踏まえて、エアコンの除湿と冷房も含めた電気代を比較してみます。
エアコンの除湿機能方式や冷房モードによる電気代の違い
日立のエアコン商品のサイトでは、エアコンの冷房と除湿の電気代に関して、次の記載があります。
出典:日立公式サイト
また、再熱除湿方式と弱冷房除湿の違いについて、このように記載されています。
出典:日立公式サイト
このように、各エアコンメーカーもエアコンの電気代についての情報は細かく発信しています。
再熱除湿と弱冷房除湿の電気代に関しては最熱除湿の方が高くなることがわかります。
出典:パナソニック公式サイト
ただし、この2つの方式にはそれぞれメリットとデメリットがあり、そこで各エアコンメーカーはユーザーが2つの方式から選べるよう配慮していると考えられます。
例えば「再熱方式」は、消費電力が高く電気代が高くなりますが、寒くならないので冬の結露でも使えます。
さらに、詳細なエアコンの電気代についての解説は、以下を参考にしてみてください。
除湿・冷房の電気代を節約するポイント
エアコンの除湿も冷房も含めて、電気代を節約するポイントは以下のとおり。
- 設定温度をできるだけ上げる
- 電気代の安い会社に変更する
- サーキュレーターを使う
- 小まめに掃除する
設定温度を高くした方が節電になる
エアコンの冷房も除湿も、消費電力が同じであれば、電気代も同じです。
ポイントは設定温度。どちらを使う場合でも、設定温度を高くしたほうが電気代の節約になります。
エアコンの設定温度を20℃(~22℃)を目安に、快適な室温を保つよう無理のない温度設定にしましょう。
電気代の安い会社を見つける
電気代は、契約容量、契約する電力会社により料金が大幅に異なります。
出典:googleAI
サーキュレーターで部屋の温度のムラをなくす
ルームエアコンメーカーのダイキンには、冷房や除湿冷房時の「サーキュレーション気流モード」が搭載された機種があり、サーキュレーター同様、お部屋全体に空気を循環させることができる。
出典:ダイキン工業【公式】youtubeチャンネル
部屋全体に冷気を効率よく循環させ、エアコンの運転を最小限に抑えることで、省エネ効果につながり電気代の節約にも貢献。
また、パナソニックののエオリアには、暖房時にサーキュレーター同様の「サーキュレーションモード運転」機能が搭載されたタイプがあり、お部屋の温度ムラを軽減し、省エネ対策に大きな効果があります。
フィルターを小まめに掃除する
エアコンのフィルター掃除は、電気代節約の第一歩。フィルターの掃除は、どの家電にもマストで電気代の節約に貢献します。
エアコン全体の掃除も◎。エアコン掃除の専門業者に依頼するのも良しです。
設置場所は窓やサッシの上が節約効果に理想的
エアコンの設置場所は、窓やサッシの上が電気代の節約に貢献。
窓やサッシからの「風」が追い風になり、エアコンの風をお部屋の奥まで運んでくれます。よってエアコンの運転パワーを早く抑えられるので、節電の効果があります。
窓やサッシの上の設置スペースが狭くエアコンの設置が難しいときは、コンパクトサイズのエアコンがおすすめ。
参考 ・コンパクトエアコンとは?メリットやおすすめメーカー10社からランキング上位11選を比較
夏前の梅雨の季節に洗濯物を早く乾かすおすすめのエアコンの使い方
衣類の乾燥にエアコンの除湿機能を利用することもできます。雨の日が多い梅雨の時期の洗濯物は部屋干しが多くなりますし、最近は晴れの日でも、PM2.5等の悪い空気の影響を避けるため、部屋干しをするお家が増えています。
パナソニックのエアコンの除湿機能には、「衣類乾燥モード」があります。洗濯物の乾燥に適した除湿運転を自動で行います。A1制御でパワフル乾燥し「ナノイーX」で生乾きのイヤなニオイもすっきり。
使い方としては次のとおり。
出典:パナソニック公式サイト
洗濯物の乾燥には、ポータブル除湿器もありますが、エアコンを運転する日は2つの運転をせず、エアコンのみで洗濯物乾燥ができれば、電気代の節約にもなります。
エアコンの豆知識
エアコンの除湿に関することや、快適なエアコン生活に役立つ豆知識をご紹介。
数字で見る除湿量が大きなメーカーのエアコン
条件:一般社団法人 日本冷凍空調工業会基準。
日立の再熱方式での数字
室外温度24℃・湿度80%、室内温度24℃・湿度60%の恒温室で連続運転。設定風速急速パワフル、設定湿度40%。消費電力775W、除湿量1,420ml/h、吹き出し温度24℃。
三菱電機の再熱方式での数字
室温24℃・室内湿度60%、外気温24℃・外気湿度80%の恒温室で連続運転。吹出し温度24℃。除湿量1,200㎖/h、消費電力600W。
まとめ
除湿量だけ見ると、三菱電機より日立のエアコンの方が、除湿量は大きくなっています。但し、消費電力も日立の方が大きくなります。
エアコンの除湿が効かない?夏本番は冷房運転一択
エアコンの除湿が効かないで暑いと感じるときの1つの原因としては、湿度より温度の高さが原因の場合です。
夏本番で気温が高ければ、エアコンの除湿運転で部屋の温度は下がりにくいのです。除湿機能で運転しても、変わりなく暑く感じるなら、ためらうことなく冷房運転を行ってください! 冷房か除湿か?この2つの使い分けを上手に行いましよう。
最近のエアコンは「インバーター機能」が搭載されていますので、設定した温度をピンポイントで再現してくれます。「冷やすぎ」、暖房なら「暖め過ぎ」をなくし無駄のない電気代で運転できます。
参考・エアコンインバーターの節電効果を1番発揮させる考えかた
エアコンの電気代が気になるなら「電気代をシュミレーション」
エアコンの電気使用量は、家電の中でも大きな方になります。従って、電気代も気になるところです。
もし「電気代の節約」をお考えなら、電気会社を変更した場合の「電気代シュミレーション」を無料ですぐに見ることができます。 こちらで詳しく解説していますので、参考にしてみてください。 ※シュミレーションをしてみると、年間数万円と大きく変る場合がありますよ。↓
参考 ・注目!「楽天でんきに切り替え」で1ヶ月の電気代「7,354円→4,572円」に下がった体験談!!
夏は除湿。でも冬は加湿が欲しい!そんなタイプのエアコンってある?
エアコンの除湿の役目は、
夏に湿度を下げることで体感温度を下げる
ということです。 ということは、この逆の場合を考えてみると、
冬に湿度を上げると体感温度が上がる
わけですね。
ならば、「加湿機能があるエアコン」があれば、冬の暖房にかなり活躍してくれます。
では、「加湿ができるエアコンってあるのか?」というとその答えは、たった1メーカーだけ加湿機能のあるエアコンがあります。
それがダイキンのエアコンです。
加湿機能やプラズマ放電で空気を綺麗にするストリーマーが搭載されたダイキンのエアコンについてはこちらで詳しく解説しています。↓
参考 ・エアコンの暖房時に加湿ができる!おすすめメーカーや特徴
エアコン除湿に関するよくある質問と回答FAQ
質問1 エアコンの除湿機能のメリットは?
回答 エアコンの除湿運転は、部屋の空気の湿度を下げる機能です。湿度が下がると、体感温度も下がり、涼しく感じるのがメリッです。快適に感じる湿度は40%~60%です。エアコンの除湿調節は、手動と自動の2タイプがあります。
質問2 冷房と除湿の使い分け方は?
回答 真夏の温度が高い時は、冷房を使うののがベストです。目安の温度は26℃~28℃です。梅雨の時期は湿度が高くなるので、まず除湿機能を使って部屋の湿度を調整しましょう。
質問3 エアコンの冷房運転と除湿運転はどちらの電気代が高いですか?
回答 冷房より消費電力が高い再熱除湿方式は電気代が高い。一方、冷房より消費電力低い弱冷房除湿は電気代は低くなります。