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空き家の売却費用や税金控除で損しないための注意点を徹底解説
「空き家を売却したいけど、手続きが複雑そうで不安」「思わぬ費用がかかってしまうのでは?」とお悩みではありませんか?
当社グループの不動産会社でも、特に空き家を売るときの相談依頼が多くなっています。
本記事を読めば、実体験に基づく空き家売却の費用、税金にまつわる注意点の知識が取得でき、空き家をスムーズに売るための方法が見つかり、不動産全般の契約手続きや売買等にも精通できます。
家を売るときの注意点はたくさんあります。売却前に必ず確認しておきたい注意点としては、次の通りです。
- 売却前に空き家を解体したりリフォームしたりする必要がない理由
- 売主と登記名義人が一致しているか
- 抵当権抹消登記が済んでいるか
- 仲介業者に依頼する際の費用
- 売却後の注意点
ここから空き家を売る前に知っておくべき注意点を詳しく解説しますので、安心して空き家売却を進めるため、ぜひ最後までご覧ください。
空き家売却前に知っておくべき4つの注意点
最初に、空き家の売却前に理解しておく注意点を4つ解説します。
まず、空き家の売却するにあたり、不動産会社とのやりとりから見た全体の流れを知っておいてください。
空き家物件の現状把握は必須です。長年放置された空き家は、建物の構造の劣化、シロアリ被害、雨漏りなど、様々な問題を抱えている可能性があります。売却前にこれらの問題点を調査し、空き家の現状を正確に把握することが重要です。
空き家の売却価格設定は、売却成功の鍵となります。複数の不動産会社に査定を依頼し、周辺の物件相場などを参考に、現実的な空き家の売却価格を設定しましょう。価格が高すぎると売れ残るリスクがあり、安すぎると損失が大きくなります。
不動産会社選びも重要な要素です。複数の会社から空き家売却の見積提案を受け、実績や対応の質などを比較検討し、信頼できる業者を選びましょう。適切なアドバイスやサポートがあれば、空き家の売却をスムーズに進みます。
売却後には、税金や登記などの手続きが発生します。事前にこれらの手続きについて理解し、必要な書類や手続き方法を把握しておきましょう。不動産会社に相談することで、空き家の売却手続きに関する不安を解消し、スムーズな流れで進めることができます。
これらを踏まえて、空き家売却前に必ず確認すべき重要な注意点は以下のとおりです。
1、売却前に解体撤去・取り壊しやリフォームすると損をしてしまう理由とは?
空き家をできるだけ早く、高値で売却したい気持ちは理解できますが、売却前に独断で解体やリフォームを行うのは控えるべきです。
不動産仲介業者に売却活動を依頼した場合、解体工事やリフォームを勧められるケースもあるかもしれません。しかし、売却前の空き家に安易に手を加えることは避けるべきです。なぜなら、解体工事やリフォームを行っても、売却が確実に成功する保証はどこにもないからです。
解体工事やリフォームによって空き家の価値を高めたとしても、売れ残ってしまえば、高額な解体費用やリフォーム代金が無駄になってしまいます。さらに、解体・リフォーム工事が行われている数ヶ月の間は、売却活動もできません。
買取業者に直接売却する場合も、売主が独断で空き家に手を加えるのは控えるべきです。なぜなら、空き家の活用方法は、買取業者が買取後に決定するためです。買取前に行われた解体やリフォームは、買取後の活用において、多くの場合、無駄になってしまいます。
解体すると土地の固定資産税が大幅にアップ!
空き家の建物を解体し更地にする場合、土地の固定資産税が大幅に増加する可能性があるため注意が必要です。これは、居住用の土地には「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税が最大で1/6に軽減されているからです。
住んでいた家が空き家になっても、適切な管理をすれば固定資産税は減免されます。
しかし、建物を取り壊して更地になると、住居用の土地とはみなされなくなり、「住宅用地の特例」の適用外となり、結果として建物が建っていたときよりも高い固定資産税を支払う必要が生じる可能性があります。
この点については、特に注意してください。
土地の固定資産税が6倍になる詳細な仕組みについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
参考 ・空き家の固定資産税は無料?空家に適用される固定資産税を減免する方法を徹底解説
固定資産税の負担を抑えたい場合は、解体前に不動産業者に相談し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。
また、空き家を解体せずに売却したい場合は、専門の不動産買取業者に相談することを検討しましょう。専門の買取業者は、空き家の再生・運用に関するノウハウを持っており、今の空き家のままの状態での売却を検討してくれます。
また、空き家をそのまま買い取ることができる専門の買取業者も存在します。解体せずに空き家を売却したい方は、まずは無料買取査定をご利用ください。
2、売り払う前に確認!売主と登記名義人は一致している?
空き家や不動産を売却する際には、登記簿上の所有者が売買契約を締結する必要があります。これは、所有者が売却の意思を明確に示し、売却手続きを進めることが重要だからです。
不動産は高額な財産であり、所有者の意に反して売却されてしまうと、大きな損失につながる可能性があるので注意が必要です。たとえ親子関係であっても、空き家の所有者以外の者が勝手に売却することは認められていません。親名義の空き家を売却したい場合は、こちらを参考にしてください。
参照 ・国土交通省 相続した空き家を早期に譲渡した場合は、譲渡所得の特別控除が受けられます
3、売却前に必ず確認!抵当権抹消登記の手続きは済んでいますか?
住宅を購入する際、多くの場合住宅ローンを利用します。住宅ローンを貸し付ける金融機関は、当然、ローンの返済が滞るリスクに備え、購入した物件に抵当権を設定します。
この場合の注意点として、金融機関等から抵当権が設定されてる空き家は、空き家の所有者であっても売却はできないことです。
したがって、空き家を売却する場合、抵当権が設定されたままでは、実質的に売却が困難になります。空き家の売り主が「ローンは完済済み」と主張しても、登記簿上は抵当権が設定されているため、買い手は不安を感じ、空き家の売却が難航する可能性があります。
ローンを完済した空き家でも、抵当権の設定は放置されている場合があります。債務者自身で抵当権抹消の手続きを行うのが基本です。
ただし、住宅ローン完済時に金融機関から連絡が来るので、その時に抵当権の抹消をするか?確認してもらえる場合もあります。
4、仲介業者に依頼する際の売却費用や税金をチェック!
空き家の売却を検討されている場合、仲介業者に依頼するのか、買取業者に直接空き家を売却するのか、どちらの方法を選ぶかで費用負担が変わってきます。
仲介業者に依頼した場合、仲介手数料に加えて広告費も発生する可能性があります。これは、仲介業者が空き家の買い手を探すための費用として発生するものです。
一方、買取業者に直接空き家を売却すれば、仲介手数料や広告費などの費用はかかりません。買取業者は、自社の資金で空き家物件を購入するため、これらの費用を負担する必要がないのです。
仲介手数料、家具撤去費用、印紙税、登記費用など
不動産取引において、仲介業者を介して売買契約が成立した場合、仲介業者に対して売主と買主からそれぞれ仲介手数料が支払われます。仲介手数料は、売却金額に応じて上限が法律で定められています。
売却価格(税抜) | 仲介手数料の上限 |
---|---|
200万円以下の金額 | 売却価格×5%(税抜) |
200万円を超え400万円以下の金額 | 売却価格×4%(税抜) |
400万円を超える金額 | 売却価格×3%(税抜) |
一方、不動産買取業者は、仲介業務を行いません。そのため、売主に対して仲介手数料を請求することはありません。不動産買取業者は、空き家物件を自ら買い取るため、売主に対して直接買取価格を提示します。
空き家の状況に合わせた最適な売却方法の流れ
空き家を一般の買い主に売却する場合、売主は契約不適合責任を負う可能性があるため、注意が必要です。
売買契約後、契約書に記載されていない欠陥(シロアリや雨漏りなど)が見つかった場合、売主は契約不適合責任を負います。この責任は、売主が欠陥について知らなかったとしても発生します。
契約不適合責任を問われた場合、売主は損害賠償請求に応じたり、修理費用を負担したり、最悪の場合、空き家の売買契約の取り消しを余儀なくされる可能性もあります。
一方、買い主が買取業者(宅建業者)の場合、売主の契約不適合責任は免責されることが一般的です。これは、買取業者は専門知識を持ち、物件の調査やリスク評価を行っているため、売主が責任を負う必要がないとされるからです。
築年数の古い空き家は、老朽化によって様々な欠陥を抱えている可能性が高いため、専門の買取業者に直接売却することが安心です。買取業者は、古い空き家でも物件の状況を正確に把握し、適切な価格で買い取ってくれます。
空き家売却後のトラブルを回避したい、スムーズに売却したい場合は、専門の買取業者に相談することをおすすめします。
空き家売却前と売った後の注意点と対策
空き家物件を売却する際には、買い手が内見を希望します。しかし、売主の家具や荷物が残っていると、買い手は物件の空間をイメージしにくく、空き家の購入をためらう可能性があります。
そのため、空き家の売主は購入者に良い印象を与えるよう、空き家の売却公示前に自ら費用をかけて私物や不用品を片付けることおすすめします。
家具や荷物撤去の範囲 | 家具や荷物撤去の相場 |
---|---|
1R・1K(3m2〜10m2) | 3〜10万円 |
1LDK・2DK(5m2〜20m2) | 5〜20万円 |
2LDK・3DK(10m2〜30m2) | 10〜30万円 |
3LDK・4DK(15m2〜40m2) | 15〜40万円 |
4LDK・5DK(20m2〜50m2) | 20〜50万円 |
一方で、空き家や不動産の買取専門業者に売却する場合、売主が事前に家具や荷物を撤去しなくても、売却価格に大きな影響はありません。買取業者が物件の買取後に、売主の私物を撤去してくれるためです。
空き家の売却を検討されている方で、室内に残っている物を片付けずに売却したい場合は、買取業者への売却も検討してみてください。
契約不適合責任を避けるために契約内容をしっかり確認!
不動産の売買契約を締結する際には、契約金額に応じて印紙税が発生します。空き家を売却する場合も同様です。印紙税は、契約金額に応じて、軽減税率が適用される場合があります。軽減税率が適用されると、印紙税が半額になります。
例えば、空き家を500万円で売却する場合、契約金額が500万円を超え1千万円以下の場合に該当するため、本則税率は1万円ですが、軽減税率が適用されると5,000円になります。そのため、印紙税は5,000円となります。
契約金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
---|---|---|
100万円を超え500万円以下のもの | 2,000円 | 1,000円 |
500万円を超え1千万円以下のもの | 1万円 | 5,000円 |
1千万円を超え5千万円以下のもの | 2万円 | 1万円 |
5千万円を超え1億円以下のもの | 6万円 | 3万円 |
1億円を超え5億円以下のもの | 10万円 | 6万円 |
印紙は、通常、不動産会社が売買契約締結までに準備し、諸費用に含めて精算します。
売却益が発生した場合の譲渡所得税について解説
不動産を売却する際には、登記費用が発生します。これは、不動産登記を行う際に必要な登録免許税のことです。空き家の売却では、抵当権抹消登記の費用が必須となります。抵当権抹消登記とは、住宅ローン契約時に金融機関から設定された抵当権を抹消する手続きで、1件あたり1,000円の登録免許税が必要です。例えば、空き家(土地と建物)に抵当権が設定されている場合は、2,000円の登録免許税がかかります。
空き家の抵当権抹消登記の手続きは、司法書士に依頼することも可能です。ただし、登録免許税に加えて「司法書士報酬」が発生します。司法書士報酬は事務所によって異なりますが、一般的に「1〜2万円」程度です。なお、空き家の売却時には「所有権移転登記」が必要となりますが、この費用は通常、買主が負担します。
所得費が不明だと税金が高くなる可能性も!
空き家を売却した後は、2つの重要なポイントを押さえる必要がありり、将来的な損害賠償請求に繋がる可能性もあるため、売却後も十分に注意が必要です。
譲渡所得税を軽減できる3つの特例
空き家を売却した利益によって、税金が発生する場合がああります。
空き家を売却し、利益を得た場合、譲渡所得税の納税義務が発生します。譲渡所得税は、所得税、住民税、復興特別所得税の総称です。計算方法は、売却額から取得費、譲渡費、減価償却費を差し引いた金額が譲渡所得となり、その額に税率を乗じて算出します。
譲渡所得税の計算式は以下の通りです。
譲渡所得 = 売却額 – 取得費 – 譲渡費 – 減価償却費
譲渡所得 × 税率(約40%) = 譲渡所得税
- 売却額…不動産の売却額
- 取得費…主に不動産の購入額と、購入時にかかった諸費用(仲介手数料など)
- 譲渡費…不動産の売却にかかった費用(仲介手数料など)
税率は、所有期間が5年以下の短期譲渡所得と5年を超える長期譲渡所得で異なります。今回は、相続した不動産を売却する場合を想定し、短期譲渡所得として計算を行います。
所得税 | 住民税 | 合計 | |
---|---|---|---|
(不動産の所有期間が5年以下) | 30.63% | 9% | 39.63% |
(不動産の所有期間が5年超) | 15.315% | 5% | 20.315% |
参照:国税庁 No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例
短期譲渡所得の場合、税率は約40%となり、売却額から様々な費用を差し引いた譲渡所得に対して、約4割の税金がかかります。
不動産である空き家の売却による利益は、税金によって大幅に減ってしまう可能性があるため注意が必要です。売却前に税金対策を検討し、節税対策を講じることをおすすめします。
相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
不動産を売却した場合、売却金額から取得費(物件の購入費)を差し引くことで、譲渡所得を計算します。しかし、相続した空き家の購入額が不明な場合、売却金額の5%を取得額とみなして、譲渡所得および譲渡所得税を計算するというルールがあります。この場合、結果的に譲渡所得税の負担が大きくなってしまう可能性があります。
例えば、購入時の金額がわかっている場合、譲渡所得税は以下のようになります。
- 空き家を売却した金額: 1,000万円
- 購入時の金額: 700万円
- 譲渡所得税: (1,000万円 – 700万円) × 40% = 120万円
一方で、購入額が不明な場合、売却価格の5%を取得額とみなされるため、譲渡所得税は以下のようになります。
- 空き家を売却した金額: 1,000万円
- 購入時の金額: 不明 → 1,000万円 × 5% = 50万円
- 譲渡所得税: (1,000万円 – 50万円) × 40% = 380万円
参照:国税庁 No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
購入額がわかれば120万円で済むはずの譲渡所得税が、購入額が不明なだけで380万円(3倍以上)になり、空き家所有者の負担が大きくなります。
空き家の購入時の金額は、売買契約書に記載されているので、売却前に確認してください。しかし、何十年も前に親が空き家を購入した場合、売買契約書が手元にない、見当たらない場合も多いかと思います。
空き家の購入時の金額が不明な場合は、登記簿謄本に記載されている購入時期等の情報から、合理的に過去の購入金額が導き出せれば、その金額を用いて譲渡所得税を計算して良いとされています。
購入時の金額を算出したい場合は、専門の税理士に相談してみましょう。
なお、譲渡所得を軽減する特例もありますので、次章で詳しく解説します。
10年以上所有した場合の軽減税率の特例
譲渡所得税は、不動産や株式などの資産を売却した際に発生する利益に対して課される税金です。しかし、一定の条件を満たせば、空き家であっても税金を軽減できる特例制度がいくつか存在します。これらの特例制度を利用することで、空き家売却の税負担を大幅に減らすことが可能です。
注意点としては、譲渡所得税はそれぞれに適用期間や条件が設定されており、特例を利用するには申告が必要となることです。
譲渡所得税の軽減に役立つ特例には、主に3つの種類があります。
特例1: 住宅用財産の特例
特例2: 小規模宅地の特例
特例3: 株式等の譲渡益の特例
空き家売却時にこれらの特例を利用するには、税務申告が必要となります。申告方法や必要な書類については、税務署や税理士にご相談ください。
相続した家は3,000万円特別控除がある
相続した空き家を売却する場合、「相続空き家の3,000万円特別控除」が適用されれば、譲渡所得税を大幅に抑えられます。この制度は、相続した空き家の譲渡所得から3,000万円を控除できるため、結果的に税負担を軽減できます。譲渡所得が3,000万円以下の場合は、全額控除され、税金はかかりません。
参照:国税庁 No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
具体例として、空き家の購入金額が不明で、譲渡所得税が大幅に増加するケースを考えます。例えば、空き家を1,000万円で売却した場合、購入時の金額が不明なため、取得費を売却価格の5%と仮定すると、50万円になります。この場合、譲渡所得税は、(1,000万円 – 50万円) × 40% = 380万円となります。
しかし、3,000万円特別控除が適用されると、譲渡所得(1,000万円 – 50万円 = 950万円)から3,000万円が控除され、譲渡所得税は実質ゼロになります。つまり、(1,000万円 – 50万円 – 3,000万円) × 40% = 0円です。
譲渡所得が3,000万円以下であれば、全額控除されるため、譲渡所得税はゼロになります。空き家が非常に高額でなければ、ほとんどの場合、譲渡所得税はゼロになる、非常に有利な制度です。
ただし、3,000万円の特別控除を受けるためには、相続してから3年が経過した日が属する年の12月31日までに売却する必要があります。相続した空き家の売却を検討する際は、相続した年月日を必ず確認し、期限内に売却できるよう計画を立てましょう。期限が迫っている場合は、専門家への相談をお勧めします。
この特別控除は、相続した空き家の売却を検討する際に大きなメリットとなるため、ぜひ活用しましょう。
状態・立地の良い空き家は仲介業者に仲介を依頼
不動産を相続し、その後売却する場合、相続で支払った税金の一部を売却時の取得費に加算できる特例があります。この特例を利用することで、譲渡所得税を節税できる場合があります。
相続した不動産を売却した場合、通常は売却額から取得費、譲渡費などを差し引いた金額が譲渡所得となり、その所得に対して税金が課せられます。しかし、この特例では、相続税の一部を取得費に加算できるため、譲渡所得が減少し、結果的に譲渡所得税の負担も軽減されます。
具体的には、取得費に加算できる相続税額は、以下の計算式で算出されます。
取得費加算額 = 相続税額 × (譲渡した土地の相続税評価額 ÷ 相続税額)
例えば、相続税額が1,000万円で、譲渡した土地の相続税評価額が500万円の場合、取得費に加算できる相続税額は500万円となります。
ただし、この特例を利用するには、相続開始日の翌日から相続税申告期限の翌日後3年以内に売却する必要があります。期限が迫っている場合は、専門家に相談することをおすすめします。
相続した不動産の売却についてお困りの方は、お気軽にご相談ください。専門スタッフが、相続税の特例を含め、最適な売却方法をご提案いたします。
詳しい適用条件については、国税庁のホームページをご確認ください。
状態・立地が悪い空き家は買取業者に直接売って早く手放す
空き家を売却する際に、所有期間が10年以上であれば、譲渡所得税が軽減される場合があります。
通常、短期譲渡所得にかかる税率は約40%ですが、この特例が適用されると、税率は14.21%にまで抑えられます。
ただし、この軽減税率が適用されるのは、譲渡所得の6,000万円以下の部分に限られます。 6,000万円を超える部分については、通常の税率が適用されます。
6,000万円以下の部分 | 6,000万円超の部分 | |
---|---|---|
所得税 | 10.21% | 15.315% |
住民税 | 4% | 5% |
合計 | 14.21% | 20.315% |
例えば、譲渡所得が7,000万円で、空き家の所有期間が売却時に10年以上だった場合、税金は次のようになります。
6,000万円×14.21%(852.6万円)+1,000万円×20.315%(203.15万)=1,055.75万
一方、所有期間が10年以下だった場合は、7,000万円×20.315%=1,422.05万となります。
このように、10年超所有軽減税率の特例が適用されると、約400万円の節税になる可能性があります。
なお、この特例は、10年以上所有している空き家ではなく、10年以上所有している住居を売却する場合に適用されます。つまり、その住居に住んでいたという事実は必須となります。
詳しい条件については、国税庁のホームページをご確認ください。
高く早く家を売るための買取業者の選び方
空き家を手放す方法は、大きく2つの選択肢があります。
一つは、不動産仲介業者に売却活動の代行を依頼する方法です。これは、一般的な不動産売却方法で、仲介業者は空き家物件情報を公開し、購入を希望する個人と売主を繋ぐ役割を担います。
もう一つは、不動産買取専門業者に直接空き家を売却する方法です。専門業者は、売主から直接物件を購入し、その後、自社で再販やリノベーションを行うなど、独自の活用方法で物件を処理します。
それぞれの方法には特徴があり、空き家の状況によって最適な選択肢は異なります。例えば、築年数が古く、リフォームが必要な空き家であれば、買取専門業者が積極的に買い取ってくれる可能性が高いです。一方、築年数が新しく、状態が良い空き家であれば、仲介業者を通して一般の個人に売却できる可能性も高くなります。
どちらの方法が最適なのか、空き家の状況や希望する売却価格などを考慮し、慎重に判断することが大切です。それぞれの方法の詳細を詳しく説明します。
空き家専門の買取業者を選ぶ
空き家を売却したいと考えている方は、仲介業者に売却活動を依頼することを検討しましょう。特に、マイホームとして需要が見込める空き家は、市場価格に近い金額で売却できる可能性が高いです。
一般的に、売却活動を通じて需要と供給が釣り合う価格、つまり売買契約が成立する価格のことを市場価格と呼びます。
仲介業者に売却活動を依頼するのに適した空き家の具体的な条件は以下の通りです。
- 築年数が浅く、建物が良好な状態であること
- 雨漏りなど、明らかな破損や汚損がないこと
- 最寄りの駅、学校、病院など、生活に必要な施設が徒歩圏内にあり、利便性の高い立地であること
最近のアンケート調査では、マイホーム購入を検討する方の多くが「立地」が最も重視されています。
そのため、立地の良い空き家は、仲介業者を通じて買い手が見つかる可能性が高く、市場価格に近い金額での売却が期待できます。
複数の買取業者に相談して査定を依頼し比較する
空き家を売却しようと考えた際、仲介業者に依頼してもなかなか買い手がつかないケースは少なくありません。特に、老朽化が著しい物件や、立地条件が不利な物件は、一般の購入者にとって魅力的とは言い難いためです。
この場合は、専門の空き家買取業者に直接買い取ってもらうことが有効な選択肢となります。買取業者は、市場価値が低く、一般の仲介では売却が困難な空き家であっても、独自のノウハウに基づいて、スピーディーな買取を実現します。
具体的に、一般の購入者に需要がないと考えられる空き家には、以下のような特徴が挙げられます。
- 最寄り駅からの距離が遠く、車がないと生活が不便な立地
- 学校やオフィス街から遠く、通勤・通学に時間がかかる立地
- 利用可能なバスや電車の本数が少ない立地
また、建物の状態も、一般の購入者に需要がない要因となります。
- 築年数が古く、建物の老朽化が顕著
- 雨漏りなどのトラブルが発生する可能性がある
老朽化した空き家については、リフォームや修繕を行ってから一般の購入者に売却することも考えられます。しかし、リフォームや修繕費用をかけても売却できない場合は、その費用が無駄になってしまいます。そのため、著しく老朽化している空き家は、そのままの状態で専門の買取業者に買い取ってもらうのが賢明です。
専門の買取業者は、老朽化が著しい空き家や、地方の山奥など立地条件が厳しい空き家であっても積極的に買い取っています。空き家の売却でお困りの方は、専門の買取業者に相談することをおすすめします。査定や相談のみでも対応可能ですので、お気軽にご連絡ください。
空き家を買取業者に売るときの注意点
ここで1点だけ、私が実際に自宅を売却した体験談から、注意点をご紹介します。不動産業者に買取を依頼して売却する場合、売却価格は希望より下がってしまう割合が高くなります。
「不動産賃貸専門業者」には空き家の売却相談はおすすめできない
不動産や空き家の買取専門業者であれば、売却に関する税金の注意点もしっかり理解しているので安心です。
一方、不動産会社には賃貸専門の業者もあります。賃貸専門業者は空き家売却のノウハウがないため、空き家売却の相談をすることはおすすめできません。
仮に「当社では空き家売却は受付できないが他の業者を紹介する」と持ち掛けられても、一旦見送る方が良いでしょう。その理由として、紹介してもらった手前、その不動産業者で売却しないと申し訳ないと感じてしまうこともあるからです。
空き家売却は金額の大きな契約です。業者によって売却金額が大きく変わることもありますので、数社の不動産買取業者に相談し、比較検討して施主にとってよりメリットのある業者を選ぶことが、上手な空き家売却のポイントです。
賃貸専門の不動産会社には相談しても、空き家売却はできないので注意が必要です。
空き家を売るときの注意点と対策のまとめ
空き家を売却する際は、売却前に確認すべき注意点が数多く存在します。売却前に解体・リフォームを行うと固定資産税が大幅にアップする可能性や、登記名義人との一致、抵当権抹消登記の確認など、スムーズな売却を行うために事前に準備しておくべき事項が挙げられます。
また、売却後の契約不適合責任や譲渡所得税についても理解しておく必要があります。この記事で紹介した空き家を売却する際の流れやポイントを参考に、適切な準備を行い、安心して空き家を売却しましょう。
空家の売却についてよくある質問と回答
A:1、事前準備(相続登記、不動産の権利関係の確認、未納の税金の確認等)2、業者選び(信頼性のある業者選ぶため複数の業者を比較する、買取業者と仲介業者どちらかの選択、)3、解体の必要性(倒壊の恐れがあれば解体が必要な場合も。できれば解体せずに売る方が補助金の対象になりやすい)
Q2. 空き家を売るときの費用は?
A: 1、不動産会社への仲介手数料 2、税金関係(譲渡所得税・住民税(売却益が出た場合)、印紙税、固定資産税等) 3、解体する場合は解体費用等があります。解体費用の詳しい解説はこちらをご覧ください。→※詳しくはこちら
Q3. 空き家をすぐに売りたいときのおすすめの方法は?
A:売却価格を相場より下げることは早期売却には有効です。不動産買取業者なら、高い確率で買ってくれます。売却価格を下げたくない場合は、CtoCで売却することに専念しましょう。物件も立地条件や品質が良ければ、売却価格を下げなくても割と早く売れる可能性は高いです。仲介業者に依頼して顧客を見つけて宣伝してもらうと、早く売ることができるでしょう。
Q4. 空き家を売るまでの間の管理はどのようにすればいい?
A:空き家の理想的な管理は、施主が月に2,3度は足を運び、家の中に入り窓を開けて換気を行うことです。空き家の中の空気が淀むと、家の劣化が早くなります。自分でできない場合は、仲介業者に頼んで、見に行ってもらいましょう。