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空き家の民泊に関する補助金制度はある?メリット・デメリットや成功事例を徹底解説
空き家を活用した民泊の成功事例を中心にご紹介します。
空き家は日本全国で増えており、今後も増えていく傾向となっています。
参考 ・国土交通省 空き家の現状について
国や自治体では、空家問題の対策に積極的に取り組んでいます。その甲斐もあって、空き家を民泊として活用する成功事例も増えてきました。
空き家をリノベーションし民泊として事業化すれば、ビジネスとして収益を得ることができます。
本記事では、
- 空き家の民泊を始める際に抑えておくべきメリットやデメリット
- 法的な側面や運営管理のポイント
などを徹底解説しています。
さらに、「空家の民泊への転用事例」として、
- 古民家スペースを民泊として活用
- 京町家を民泊としてリノベーション
- 国や自治体が支援する補助金
といった、成功事例や費用を抑える方法も解説します。
空き家を有効活用し、新たな収入源を確保するための第一歩を踏み出しましょう。
空き家を民泊として活用するメリットとは?
空き家を民泊として活用すると、どんなメリットがあるのでしょう?
主要なメリットとして考えられる事例を3つご紹介します。
ビジネス経営としての経済的なメリット
空き家を民泊として活用すれば、ビジネス事業として収益が生まれるメリットがあります。
空き家を民泊や宿泊施設として利用せずほおっておけば、管理費や税金がかかり費用対効果はマイナスです。
誰も住んでいない空き家なのに、放置しているだけで固定資産税や都市計画税がかかります。
だからといって、空き家を解体し更地の土地で所有すれば、固定資産税の減税特例を受けられないため、税金が6倍になるケースも考えられます。
参考 ・空き家の固定資産税は無料?税額0円の条件や減免する方法を徹底解説
一方、空き家を民泊運営として活用すれば、逆に収益が生まれ資産形成に役立つでしょう。
また、空き家を民泊として活用するのであれば、新築物件より初期投資費用の負担が少なくて済むことは、大きなメリットといえるでしょう。
空き家問題解決の社会的貢献につながる
さらに、社会的な貢献として、空き家を民泊として活用すれば、空き家問題対策の解決にも寄与します。
日本各地で増加している空き家を有効に活用することで、地域の景観や治安の改善にも貢献できます。
特に管理がされていない放置された空き家問題の解決は重要です。
参考 ・空き家管理の代行サービスを比較!【2025年最新】実家の管理費用や管理不全空き家の放置リスクを徹底解説
空き家を民泊に活用すれば、空き家が減少し地域の住民の満足度や生活の質の向上にもつながります。
ちなみに、空き家の活用方法は民泊以外にも様々な選択肢があります。
参考 ・空き家を賢く活用!【2025年最新】副収入を生む最新アイデアと成功事例15選
このように、空き家を民泊として活用することは、経済的、地域社会的、社会的な多角的なメリットをもたらし、所有者だけでなく地域全体に恩恵をもたらす可能性を秘めています。
空き家を民泊として利用するデメリットや対策を徹底解説
空き家を民泊として活用するには、宿泊施設として必要な許可や知識の習得、民泊運営を始める上での管理負担、近所トラブル対策のリスクといったデメリットがあると言えます。
法的な専門知識を要し、許可取得といった手続きがある
空き家を民泊として経営するのであれば、住宅宿泊事業法に基づき、民泊での宿泊施設として適切な許可を取得する必要があります。
空き家民泊を始めるための手順
その上で、空き家を民泊として再生し許可取得するまでの手順は、次のとおりです。
- 保健所や消防署に相談する
- 住宅宿泊管理事業者を選ぶ
- 消防設備を整える
- 周辺住民に民泊の事前周知を行う
- 民泊新法で運営できるかを確認する
- 必要書類を揃えて届出書を提出する
- 施設の立ち入り検査を受ける
- 民泊の営業を開始する
参考 ・国土交通省 住宅宿泊(民泊)事業者の届出に必要な情報、手続きについて
始める前に初期費用や管理費用の負担が発生する
空き家を民泊として運営するには、リノベーションの費用に合わせて、初期投資費用としての負担も発生します。
また、空き家民泊の運営管理の手間と費用についても考慮が必要です。清掃やゲスト対応、予約管理などの日常的な業務が含まれ、これを自分で行うか、管理会社に代行委託するかの選択が必要です。
近隣トラブルのリスク問題
近隣トラブルのリスクも無視できません。民泊を利用するゲストの中には、音楽を大音量で流す、深夜に騒ぐなど、近隣住民に迷惑をかける行動をとる人もいます。これにより近隣住民との関係が悪化するデメリットが考えられるため、トラブルを未然に防ぐための対策が必要です。
これらのデメリットをクリアするためには、法律の理解、運営の効率化、近隣との良好な関係構築が重要です。事前にデメリットを認識し、適切な対策を講じることで、持続可能な民泊運営を目指すことができます。
空き家民泊に活用できる補助金について解説
空き家を民泊として活用する際、初期費用や改修費用を抑えるために利用できる補助金制度があります。
宿泊施設サステナビリティ強化支援事業
宿泊施設サステナビリティ強化支援事業補助金は、国土交通省と観光庁が行っている補助金事業です。
宿泊施設のサステナビリティ向上のための支援事業であり、空き家の民泊事業にうってつけの補助金です。申請手順等については下記のサイトで確認できます。
観光地・観光産業における人材不足対策事業
宿泊業が抱える人手不足を解消するための設備投資やサービスの導入に関わる経費の一部を支援。空き家の民泊の安定的な経営・運営においても人材不足対策は重要な課題として、補助事業の対象。
自治体で利用できる補助金
空き家のある地域の自治体で補助金事業があるなら、それを活用することは必須です。
空き家の民泊事業や、宿泊業向けの補助金制度がある自治体は次の通りです。
- 金沢市(石川県)宿泊施設改修事業費補助金
- 赤穂市(兵庫県)古民家再生促進支援事業補助金
- 京都市(京都府)町家再生支援事業
- 松本市(長野県)空き家活用促進補助金
- 高山市(岐阜県)古民家宿泊施設整備補助金
- 尾道市(広島県)空き家再生事業補助金
- 熊本市(熊本県)歴史的建造物活用支援事業
- 那覇市(沖縄県)空き家活用観光施設整備補助金
これらの補助金を活用することで、宿泊施設や民泊事業の初期投資や運営費用の負担を軽減できます。
補助金を利用するためには、特定の条件を満たす必要や、決められた手順があるため、事前に計画を立て、必要な書類を揃えることが重要です。
各自治体の公式サイトや担当窓口に問い合わせて、最新の情報を入手し、適切な手続きを行いましょう。
M&Aを活用し安い空き家を民泊として買い事業を開始する方法
民泊を考えているが、所有する空き家の条件が民泊等の宿泊施設に適していなかった場合の手段として、民泊専用のM&Aを利用して、「安い空き家を買って民泊を始める」こともできます。
この場合、物件は空き家に限られることがないので、選択肢も多くなり、また民泊専門物件なので、リノベーションも完了している物件を見つけることができ、初期費用の負担や許可取得といった手間を抑えることができ、空き家民泊特有のデメリットをなくすことも可能です。
一方、所有する空き家が民泊に適しているが、事業として民泊を始めるのは抵抗がある方は、民泊専用のM&Aを利用して、「民泊として価値の高い空き家を高く売却する」ことも可能です。
全国の空家民泊の成功事例|地方の田舎や都会での運営施設
空き家や民泊の成功事例として、全国を対象に5つの事例をご紹介します。
東京都:鉄道事業者と民泊管理代行事業者等と連携して運営する、地域に溶け込む民泊施設宿泊施設として運営活用
鳥取県:古民家のリノベーションを家族でDIYした、自然と共存する家の経営 ※空き家利活用コンテスト2022 優秀賞
京都府:京町家をリノベーションした民泊施設
岐阜県:地域の食文化を受け継ぐ食事を提供する農業民宿
岩手県:農作業体験など地域の特色を活かした体験ができる空き家を活用した宿泊施設
「空家で宿泊施設経営を考える」のまとめ
空き家を民泊として活用することは、空き家問題の解決と新たな収入源の確保という二つの大きなメリットがあります。
しかし、法的な手続きや初期費用の負担など、始める際にはいくつかの課題も存在するため、「空き家民泊ビジネス初めても本当に大丈夫だろうか?」という不安もあるでしょう。
国や自治体の補助金制度を活用することで、民泊経営のハードルは低くできます。
実際に空き家の民泊ビジネスで補助金を活用した成功事例を参考にしながら、計画的に準備を進めることが、今後の空き家民泊事業を成功へと導く鍵となります。
空き家の民泊事業に関心がある方は、まずは地元の自治体に相談し、具体的な支援策や補助金について調べてみてください。これを機に、空き家を有効活用し、新しいビジネスの一歩を踏み出しましょう。
一方、「経営が失敗した際の自己責任に不安がある方」は空き家の民泊経営より、空き家の適切な処分方法を参考にしてみましょう。